目標管理をうまく運用することができなかった理由を考える
人事評価の一部として目標管理を取り入れたことがあるけど、正直なところうまく機能しなかった。しなかったというのは言い訳で、どちらかというとうまく運用することができなかったという表現が正しい。この理由について振り返り分析をしてみようとおもう。
目標管理を取り入れた理由
- 人事評価っぽい何かに取り組みたかった
- スキル向上を促したかった
- 社内教育システムの不足を補いたかった
なんかもう答えが出てしまっている感がハンパない。評価する側の思惑が強すぎて、評価される側の意見を取り入れていない。当時は人事評価システムの再構築が最優先になっていたようにおもう。つまり評価ありきの目標管理だった。
目標設定について気を付けたポイント
- 目標が定量的であること
- ゴールが明確であること
- 期間が明確であること
数値化することを最重要視していた。これは評価する側にとってもされる側にとってもメリットがあるとおもう。そしてゴールと期間。この3つが揃うことでゴールまでの助走期間なのか、折り返し地点なのか、ラストスパートすべきときなのかが把握できる。
どれかひとつでも不明瞭な点がある場合は、目標設定の見直しをした。最も頭を悩ませたのは定性的な目標をなんとか(無理やり)定量化すること。このときにうまく定量化できず、目標が歪んでしまったりすると、その後の進捗に悪影響を及ぼしてしまっていたようにおもう。
進捗管理について気を付けたポイント
- 定期的に進捗をヒアリングする
- 必要に応じて方向性の修正を指摘する
- 必要に応じて加速度の修正を指摘する
ほとんどの人は数週間で自分の設定した目標を忘れてしまう。なので、ちょくちょくヒアリングすることで本人の目標を再認識させてあげる必要があった。そのときに、設定したはずのゴールに対して方向がずれていたり、期間に対して遅れがある場合は指摘して修正を促した。
目標を達成できた人の特徴
- 目標設定が最初から明確だった
- ヒアリングしなくても自分から報告してくれる
- 自己分析が冷静
非常にありがたい。日頃の業務では目立ったりするところのない人がコツコツとゴールに向かって行く姿には、こちらが教わることのほうが多かった。人を見る目があるとかないとか言う表現があるけど、自身の「人を見る目」なんてまったく役に立たないことを思い知らされた。
目標を達成できなかった人の特徴
- 目標設定に時間がかかる
- 目標設定したときが達成感のピーク
- 取り組めていない理由として「時間がない」と言う
こういった人に目標を達成させるのが目標管理の醍醐味なのかもしれないけど、はっきり言って無理ゲー。やる気のない人をやる気にさせるというのはとてもハードルの高い行為であって、カリスマとかネイティブコーチの資質を持つ人が社内に存在するならその人に任せるべきだろう。
やる気のない人をやる気にさせる必要があったのか、というのも気になっている。目標をシンプルにして、うまく誘導することで自信を付けさせることもできたのかもしれない。
まとめ
- やる人は放っておいてもやる
- やる気のない人をやる気にさせるのは時間の無駄
- 目標管理には安易に手を出すな
管理する側の力量に左右される部分が大きいので、一握りの予備知識だけで導入すべきではなかった。自分自身で目標管理してみて、その成功体験を分析して他人に伝えられるようになってからでも遅くはなかったのかもしれない。